
車中泊をしていると、「車内をもっと整理整頓できたら…」「無駄なスペースをうまく使えないかな?」と感じることはありませんか?限られた車内スペースで快適に過ごすためには、収納の工夫が必要不可欠です。特にイレクターパイプで棚を作って車内を有効活用したいと考える方も多いはずです。
イレクターパイプは、丈夫で加工もしやすく、棚や収納ラックを自作するのに最適な素材として人気を集めています。車内の天井や側面などのデッドスペースを活かして収納棚を設置すれば、寝具やキャンプ道具などをスッキリとまとめることができ、車中泊の快適度が大幅にアップします。
この記事では、車中泊に役立つイレクターパイプ棚の作り方や車への設置方法、必要な費用や材料、注意点を解説します。さらに、軽自動車やバンを使った自作例や、100均素材との併用方法など、実践的なアイデアも交えて紹介。実用性と安全性を兼ね備えたDIY棚のノウハウを、初心者にもわかりやすく丁寧にお届けします。
イレクターパイプ棚の作成と車への固定方法を徹底解説
塩ビパイプとイレクターパイプの違いとは?素材の強度と用途を比較

塩ビパイプは主に住宅や工業設備での配管用途で使われる材料で、軽量かつ安価で手に入りやすいのが特徴です。一方、イレクターパイプは矢崎化工が開発した構造材で、DIY用途や棚・什器製作などに特化して設計されています。
最大の違いはその強度・耐久性・加工のしやすさにあります。イレクターパイプは鉄製パイプの上に樹脂コーティングが施されており、見た目も美しく、傷やサビにも強いのが魅力です。これは車内に設置する棚やフレームにとって大きな利点です。
さらに、専用ジョイントが数十種類以上揃っており、T字接続・コーナー接続・角度変更・キャスター取り付けなど、多様な組み方が可能です。これにより、誰でも簡単に自分の車に合ったサイズや形状の棚を設計・構築することができる点が、イレクターパイプの最大の魅力といえます。
加えて、塩ビパイプは基本的に接着剤で固定し再利用が難しいのに対し、イレクターは金属ジョイントを使えば分解・再利用が可能なため、設置場所を変更したいときや棚を再設計したいときにも柔軟に対応できます。
すべりパイプとは何か?イレクター構造に使われる意味を解説

「すべりパイプ」とは、パイプの表面を滑らかに仕上げたり、特殊なコーティングを施すことで、摩擦抵抗をできる限り低減させたパイプのことです。この加工によって、引き出しやスライド式の収納棚を車内に導入したいと考えるDIYユーザーにとって非常に便利な素材となっています。
特に車中泊では、狭いスペースの中でスムーズな動作を求められるため、すべりパイプのような素材は重宝されます。たとえば、クーラーボックスや収納ケースを奥から引き出す構造を考える際に、すべりパイプを使用すると、動作が軽く、ストレスなくモノの出し入れができるため実用性が非常に高くなります。
また、すべりパイプは一般的なイレクターパイプと比べて、内部摩擦が少ないため、動的な部分に向いており、棚の引き出しレール部分やスライド棚の支持構造として使用されることが多いです。DIY経験者からは「滑りがよくて感動した」「ラッチなしでも引き出しが快適」といった好評のレビューも見られます。
滑りやすくすることで、箱やケースの出し入れがスムーズになるというだけでなく、荷物の出し入れの際に手や腰への負担を軽減するという副次的効果も得られるのがポイントです。
イレクターパイプの切断方法と専用工具の選び方

基本的にはパイプカッターや金ノコで切断できますが、作業の精度や効率を考えると、やはりもっともおすすめなのはイレクター専用カッターです。この専用工具を使えば、切断面がまっすぐに整い、パイプ端の変形や割れを防ぐことができます。
イレクター専用カッターはテコの原理を利用した構造になっており、女性や高齢の方でも少ない力でカットが可能。刃の部分は交換式で、メンテナンス性にも優れており、DIYを継続的に行う方には非常に重宝されます。
切断後には、断面をきれいに仕上げるためにヤスリでのバリ取りが必須です。バリが残っていると、ジョイントとの接合がうまくいかず、構造が不安定になる原因になりますし、何よりも手を切るなどのケガにつながるリスクがあります。
また、スライド棚など動作部分を含む構造では、滑らかな断面処理が摩擦低減にも効果的。丁寧な切断と仕上げは、見た目の美しさだけでなく、安全性と耐久性を確保するうえでも非常に重要な作業工程となります。
イレクターパイプは屋外でも使える?耐久性と防錆性能を検証

イレクターパイプは外装が樹脂製で防錆性に優れ、屋外使用も可能です。構造用の鉄芯にABS樹脂などをコーティングしているため、雨や湿気に対して非常に強く、屋外でのDIYにも対応できます。たとえば、キャンプ道具用ラックやベランダ収納棚などの用途に多く使われています。
ただし、日光や雨に長期間さらされると、樹脂部分が劣化したり、紫外線によって色あせや硬化が進行する可能性があります。また、積雪地帯など極端な環境では、寒暖差によるパイプの収縮や膨張が発生し、接合部に負荷がかかることもあります。
そのため、屋外設置を前提とする場合には、耐候性・紫外線対策が施された「FSイレクター」シリーズを使用するのが安心です。このシリーズは抗菌・耐候処理が施されており、長期間屋外で使用しても変形やサビの心配が少ないのが特徴です。
設置場所によっては、日よけや防水カバーを併用するとさらに耐久性を延ばせます。詳しくは矢崎化工公式サイトで製品の仕様や利用事例を確認してみてください。
NTYジョイントの耐荷重性能は?車載棚に使える強度か確認

NTYジョイントは強度と拡張性が高く、ボルト固定によって耐荷重性が増します。このジョイントは、イレクターパイプの標準プラスチックジョイントと比べて格段に強度が高く、特に重い荷物を載せる棚を車内に設置する際に選ばれることが多いです。
金属製の構造とボルトによる締結が特徴で、繰り返しの脱着にも耐えるため、移動中の振動や車の揺れにも強く、安定性の面で非常に優れています。また、力が一点に集中しないように荷重を広く分散させる構造となっており、ジョイント破損のリスクも低減されます。
車載棚に使う場合、走行時の振動や急ブレーキによる衝撃に耐える必要がありますが、NTYジョイントを使用することで荷崩れや変形、倒壊のリスクを大きく軽減することができます。
メーカー公表値では1ジョイントあたり30~50kg前後まで対応可能とされており、実際の使用状況では工夫次第でさらに高い耐荷重性能を引き出すことも可能です。たとえば、棚全体を支える支柱部分に複数のジョイントを連結することで、構造的な強度を補強する手法もあります。
イレクターパイプ棚を使った車中泊の実用性と作り方を検証
イレクターパイプを使った棚の基本的な作り方とは?

まず最初に行うべき工程は、車内スペースの採寸です。横幅・高さ・奥行きを正確に測り、どの位置に棚を設置するかを決めます。目的に応じて、常設棚にするのか可動式棚にするのかを判断することも大切です。
その上で、棚の大きさに応じて必要なパイプの本数や長さを計算し、ホームセンターやネット通販などでイレクターパイプと各種ジョイント部材を揃えます。ジョイントでフレームを組み立てた後、天板として使用する棚板(合板やコンパネなど)を適切なサイズにカットして載せるのが基本の流れです。
棚板の固定にはビス止めや結束バンド、L型金具を用いる方法が一般的です。荷物の重さに応じて支柱を追加したり、中央部を補強するなどの工夫を加えることで、より強度のある構造に仕上がります。
また、車の振動対策として、滑り止めシートを敷いたり、ゴム脚や吸盤パーツを使って棚のズレを防止する工夫も重要です。最近では、マグネット付きパーツや突っ張り棒を利用して、工具不要で固定できる棚の構成例も増えています。
完成後には、重いものを下段、軽いものを上段に分けて配置することで、重心が安定し、走行中も安全に使用できる棚となります。
車中泊で使う棚を天井に固定する方法と注意点

天井には既存のネジ穴やフックを利用するのが基本です。これらの固定点にS字フックや金具を取り付け、イレクターパイプの横棒を掛ける形式にすると、安定した設置が可能になります。また、耐震固定具や突っ張り棒との併用で安定感を増すことができ、走行中の振動による棚のズレや脱落を防げます。
さらに、マグネット付きブラケットや吸盤パーツなどの補助器具を併用することで、固定力をより高めることができ、工具不要での設置も可能になります。最近では、天井ライナーに負担をかけないよう、圧力を分散させるパッド付きの固定具も多く販売されています。
ただし、重量をかけすぎると天井ライナーを破損する恐れがあるため、必ず軽量物のみ収納するようにしましょう。特に、キャンプ道具や寝具など、比較的軽くて柔らかいものを選ぶと安心です。重量物は床置き収納に回し、天井棚は「浮かせておきたい軽い物の定位置」として割り切って使うと安全かつ効率的です。
イレクターパイプと車用アタッチメントの活用アイデア

「ルーフバー対応クランプ」や「シート固定用アタッチメント」など、専用金具を使うとより安全かつスマートに設置できます。特に走行中の振動や荷物のズレを防ぐには、しっかりとした固定具の使用が欠かせません。これらのアタッチメントは、ネジやボルトで固定するタイプから、ワンタッチで着脱できるクイックリリース式まで、種類も豊富です。
また、ルーフに設置する場合は、既存のルーフバーにクランプを挟み込むだけで設置できるものもあり、工具不要で車外収納棚や照明器具の取り付けが可能です。車内では、シートのヘッドレスト支柱やシートレールに取り付け可能なアタッチメントを活用すれば、省スペースで安定感のある収納棚やハンギングラックを設置できます。
さらに、アタッチメントの素材や形状を工夫することで、断熱材を巻いたパイプにも対応可能なモデルや、360度回転するジョイント付きのものもあり、車種や設置箇所に応じて柔軟なカスタムが可能になります。
市販のアタッチメントとの組み合わせにより、車種に合わせたカスタムがしやすくなりますし、パーツの一部を入れ替えることで、季節や使用目的に応じたレイアウト変更も簡単に行えるようになります。
イレクターパイプ棚の費用はどれくらい?パーツ別のコスト例

一般的な棚サイズ(3段・幅100cm)での費用は、約5,000~8,000円程度が目安です。ただし、使用するジョイントの種類や棚板の素材、補強部材の有無によって金額は前後します。
コストを抑えたい場合は100均の補助素材や端材を活用したり、構造を簡素化した設計を選ぶことも可能です。逆に、天板に合板ではなくポリカーボネート板などの高耐久素材を使うと、1万円を超えることもあります。
また、突っ張り棒やマグネットアタッチメントなどを加えると、使い勝手が良くなる一方で追加費用が発生します。以下に基本パーツを想定した内訳を表でまとめました:
部品名 | 単価 | 数量 | 合計 |
---|---|---|---|
パイプΦ28×1m | 600円 | 6本 | 3,600円 |
ジョイント(J-12等) | 150円 | 8個 | 1,200円 |
棚板(コンパネ) | 1,000円 | 2枚 | 2,000円 |
結束バンド(補助固定用) | 100円 | 1袋 | 100円 |
ゴム脚パッド(安定用) | 300円 | 1組 | 300円 |
合計 | 7,200円 |
このほかに、工具を持っていない場合はパイプカッターやドライバーなどの初期投資も必要となります。DIYを継続して楽しむつもりであれば、これらの工具は長期的にみても十分な価値があります。
軽自動車に合う棚を自作する方法とサイズの目安

車内幅約130cm、高さ80cm以内が一般的な軽バンサイズです。代表的な車種としては、スズキ・エブリイ、ダイハツ・ハイゼット、ホンダ・バモスなどがあり、いずれも車内空間をうまく活用できる設計になっています。これらの車両では、助手席後方に設置する横長棚や天井近くの横棒設置が非常に人気のあるレイアウトです。
たとえば、助手席を前に倒してフラットにすることで、横長の棚や荷物置きを展開できますし、リアゲートからアクセスできる高さに棚を設置することで、荷物の出し入れが簡単になります。また、棚の奥行きは30~40cm程度にすることで、圧迫感を抑えつつ十分な収納スペースを確保できます。
最近では、天井スペースを活用した吊り下げ収納も注目されており、突っ張りパイプやルーフピラーを利用して寝袋や衣類、クッションなどの軽量物を収納するネット棚なども活用されています。これにより、床スペースが広く使えるようになり、車中泊時の快適性が向上します。
荷室寸法に合わせた現物合わせが失敗しない秘訣であり、最初に段ボールなどで試作しながら仮組みすることで、無駄なく設計が可能になります。特に軽バンの場合は、天井のアーチやシート位置などに個体差があるため、現場対応力が成功の鍵となります。
愛車の前方座席上にDIYで取り付けたイレクターパイプ棚です↓(注意:写真では醜いかと思いますが、天井デッドスペース活用のため、社内内壁にドリルで穴開けてイレクターパイプをビス止め固定しています)









100均素材と組み合わせた車トランク棚の自作アイデア

ワイヤーネット、プラケース、滑り止めシートなどを100均で揃え、イレクターパイプのフレームと組み合わせて使う方法です。これにより、市販の高価な車載収納ラックを購入することなく、手頃な価格で機能的な棚を自作することができます。
たとえば、ワイヤーネットを棚板の代わりに使い、下にプラケースをはめ込めば、簡易な引き出し型収納にも応用できます。滑り止めシートはトレーや箱の下に敷くことで、走行中のズレ防止にも役立ちます。また、フックや結束バンドも100均で手に入り、ネットや袋を引っ掛けて吊るす収納も実現可能です。
このように、コストを抑えつつ収納効率を高めることができ、DIY初心者にもおすすめです。特に車中泊においては、スペースの有効活用が快適性に直結するため、自由にレイアウトを変更できる100均素材の活用は大きなメリットとなります。必要に応じて棚の高さを変えたり、部品を入れ替えたりできる点も魅力です。
イレクターパイプ棚 車中泊を快適にしてくれるアイテムの総括
- イレクターパイプは塩ビより強度が高く、車中泊用棚に適している
- NTYジョイントなどを活用すれば安全性も確保可能
- 軽自動車サイズでも天井・側面を使えば収納効率は格段に向上
- 費用を抑えるには100均パーツの併用が効果的
- 棚を作る前には現物合わせや段ボール試作でミスを防ぐのが成功のコツ
- 屋外使用には耐候性のあるFSイレクターを選ぶことで長持ちする
- マグネットや吸盤式の固定具を使えば、車体に傷をつけずに設置可能
- すべりパイプの活用でスムーズなスライド収納を実現できる
- ジョイントや補強の工夫で耐荷重性能を強化でき、重い荷物にも対応

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